臨界

臨界 りんかい

 核分裂連鎖反応において体系内の中性子の生成と消失の均衡が保たれている状態をいう。有限の大きさの原子炉では、体系の表面からの中性子の漏れがあり、これを考慮した中性子増倍率を実効増倍率(k−eff)といい、臨界のとき1である。通常、臨界というときには即発中性子と遅発中性子の総量について考慮する。臨界に達するのに遅発中性子が必要なことを強調するときには遅発臨界という。これに対し、即発中性子のみで臨界になることを即発臨界という。臨界に達しない状態を臨界未満又は未臨界といい、臨界を超えた状態を臨界超過又は超臨界という。原子炉が臨界になるにはある程度の核分裂物質の量の大きさが必要で、それは燃料や減速材の性質、幾何学的配置などに依存する。


<登録年月> 1998年01月

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