反応度事故

反応度事故 はんのうどじこ

 原子炉において、大きな反応度が印加され、出力が異常に増加することによって起こる事故をいう。印加された反応度が小さければ、出力は比較的穏やかに上昇するが、一定の値(即発臨界に達する値)を超えた反応度が印加されると、急激な出力上昇が起こる。この出力上昇特性は原子炉の設計に依存する。例えば軽水炉の場合にはすべての出力領域で出力反応度係数(原子炉出力の増加量当たりの反応度の増加量)が負となるように設計されており、何らかの理由で大きな反応度が印加されてもフィードバックが働いて出力上昇は抑制される。他方、チェルノブイリ発電所の事故は幾つかの要因が複合して発生したものであるが、旧ソ連のRBMK-1000型炉が低出力の領域で正の出力反応度係数を持つ原子炉であったことが原因の一つとされている。


<登録年月> 2012年04月

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