反応度効果

反応度効果 はんのうどこうか

 運転中の原子炉において何らかの因子が正または負の反応度を生じさせることをいう。反応度は臨界状態からのずれを示す指標であり、それを与える因子には、炉内の温度、核分裂生成物の蓄積量、燃料の燃焼度、冷却材中の気泡(ボイド)量など様々なものがある。これらの因子はその変化に応じて原子炉に対して正または負の反応度を与える。正の反応度が挿入された場合にその結果としてさらに正の反応度が生じると、原子炉出力は急上昇を続け、そのままでは出力暴走が起こる可能性がある。そこで、原子炉の設計においては、ある因子の影響で正の反応度が生じた場合に、自然の原理で別の因子が負の反応度を与え、原子炉出力の上昇が抑制されるように配慮する。例えば、高速炉では燃料や構造物の膨脹、燃料や希釈材の温度、ナトリウムのボイド量などが反応度を与える因子であるが、炉心設計に際しては出力上昇時の総合的な反応度(反応度係数)が負の値になるように、燃料濃縮度、組成、幾何学的形状、配置などを決定する。


<登録年月> 2013年05月

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