多重防護

多重防護 たじゅうぼうご

 原子力施設の安全性確保の基本的考え方の一つで、原子力施設の安全対策が多段的に構成されていることをいう。とくに日本では原子力発電所の基本的設計思想とされている。多重防護は、次の3段階からなっている。第一段階としては、安全確保のための設計の考え方であって、異常の発生を防止するため、安全上余裕のある設計、誤操作や誤動作を防止する設計、自然災害に対処できる設計が採用されている。第二段階としては、事故拡大防止の考え方であって、万一異常が発生しても事故への拡大を防止するため、異常を早く発見できる設計、原子炉を緊急に停止できる設計が採用されている。第三段階としては、放射性物質の放出防止の考え方で、万一事故が発生しても放射性物質の異常な放出を防止するための格納容器やECCS(緊急炉心冷却装置)が備えられている。


<登録年月> 1998年01月

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