大気圏内核実験

大気圏内核実験 たいきけんないかくじっけん

 地上、海上、及び空中で行われる核実験。核実験とは、核爆弾(原子爆弾または水素爆弾)の開発、性能の確認、性能維持の技術を確立することを主たる目的として核爆弾を実験的に爆発させることをいう。核実験には大気圏内核実験のほかに、水中核実験、地下核実験、大気圏外核実験がある。これらのうち、地下核実験以外は1963年に締結された部分的核実験禁止条約(PTBT)で禁止された。大気圏内核実験は、1950年代から1960年代初頭にかけて米国、旧ソ連を中心に多数回実施された。実験は主として北半球の成層圏内で行われたため、核分裂生成物の微粒子は地球の大気循環流に乗って北半球全域に拡散、降水とともに地上にも降下し、地表面や農作物に放射性汚染をもたらした。降下核種の中ではセシウム137が最も多く、日本人成年男子を対象とした測定結果ではセシウム137平均体内量は1964年にピーク値(約530Bq)に達したが、米ソの大気圏内核実験の停止とともに急速に低下した。


<登録年月> 2012年01月

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