クリノスタット

クリノスタット くりのすたっと

 クリノスタットは、試料を搭載した回転体を直交2軸まわりに回転させ、搭載試料(重力応答性が鈍い試料:例えば植物等)に作用する重力ベクトルの方向を変化させることにより、時間平均としての重力を相殺することのできる装置である。3軸の時間平均重力がゼロに近づくため、見かけ上無重力環境が作り出される。クリノスタットにより航空機や落下塔を利用せずに研究室で無重力(微小重力)実験が可能になる。クリノスタットを用いてラットの放射線影響を調べる研究も行われている。6個のカプセル内部にラットを搭載して、各2時間以内振り回す。これを最長6週間継続する。このクリノスタット内では、長時間平均をとれば微小重力となっている。その後、屠殺したラットの骨への放射線影響と、放射線+微小重力の影響を比較すると、1.5Gy程度照射した場合は、微小重力が骨からのカルシウム減少を促進するという結果が得られている。(図1参照)


<登録年月> 2006年10月

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