カーマ

カーマ かーま

 カーマは、人体や物体に与える影響を与える放射線量の指標の一つで、γ線、中性子線等、電荷を持たない放射線に適用される。γ線や中性子線が物質内で反応を起こすと、荷電粒子が生成され、荷電粒子はγ線や中性子線のエネルギーを受け取り運動を開始する。これらの粒子は2次荷電粒子と呼ばれ、その飛跡に沿って多くの電離、励起を引き起こしエネルギーを失い、これが放射線が物体等に与える影響の原因となる。カーマKは2次荷電粒子に与えられるエネルギーに関連した量で、次式で定義される。
 K = dEtr/dm  (dEtr :1次放射線により、ある物質の微小質量dm内に生じた、全ての荷電粒子の初期運動エネルギーの合計)(図1参照)
dEtrは2次荷電粒子が生じた時点で持っている運動エネルギーの和であり、2次荷電粒子を生成するのに用いられたエネルギーと粒子の静止質量は含まない。カーマは、SI単位系では、吸収線量と同じくグレイ(Gy:J/kg)を用いて表される。


<登録年月> 2006年10月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ