津波

津波 つなみ

 津波は短時間で全てを破壊する自然災害であり、高潮とは全くメカニズムが異なる。津波とは海底の変動によって発生する一連の波を指し、約95%は地震が原因で起こる。津波は、発生、伝播、浸水の3つの段階に分けられ、その破壊力と伝播スピードの速さが特徴である。特に発生時のエネルギーを維持したまま何千キロメートルもの海洋を渡ることができるため、震源から遠く離れた沿岸部で大きな被害が出る。海底で大きな縦ずれが生じると海水に大きなポテンシャル・エネルギーが蓄えられ、それが運動エネルギーに変わり低周波で長い一連の波が発生する。これが津波で、通常マグニチュード6.5以上の大地震が沈み込み地帯で起きると発生する。津波の波長は非常に長く、外洋では300kmにもなり、その速度は水深が深いところでは時速500km前後にもなる。津波が浅瀬に到達すると、波の高さと運動エネルギーが大きくなる。それまで深海の大きな体積の海水中で広がってきた運動エネルギーが、それよりはるかに小さな海水体積の中に集中するため、浅瀬では計り知れない破壊力を持つ波が高くそびえることになる。


<登録年月> 2005年11月

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