応力腐食割れ

応力腐食割れ おうりょくふしょくわれ

 stress corrosion cracking。金属に腐食環境下で応力が働いている場合、その腐食環境にない場合より低い応力で破壊することを応力腐食割れという。オーステナイト系ステンレス鋼は高温水下で応力腐食割れが起こすことがある。この発生原因は材質的要因(材質の鋭敏化:溶接の熱影響によって結晶粒界にクロム欠乏層を生じ耐食性が劣化する現象)、応力要因(溶接残留応力の存在)、環境要因(溶存酸素の存在)の3要因が重複した場合である。したがって、3要因のうち一つ以上をなくせば発生を防止することができる。例えば、極低炭素仕様の304Lまたは316材に窒素を添加した原子力用ステンレス鋼の使用や残留応力対策としては水冷溶接法や高周波誘導加熱による応力分布改善等がある。


<登録年月> 1998年01月

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