崩壊熱

崩壊熱 ほうかいねつ

 放射性物質の崩壊によって生ずる熱。放射性物質はα線、β線あるいはγ線などの放射線を放出して崩壊するが、このエネルギーは周辺の物質に吸収されて、最終的には熱に変わる。したがって原子炉の運転を停止しても、核分裂生成物のうち放射性の核種が崩壊熱を放出する。停止直後では、運転中の出力の7〜8%もの熱を放出する。冷却機能が停止するような事故の際には、この崩壊熱を除去しないと炉心の温度が上昇し、燃料が溶ける事態が生じる。TMI事故では実際にこの事態が起こり、以後、崩壊熱除去系に対する規制が厳しくなった。


<登録年月> 1998年02月

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