トリウムサイクル

トリウムサイクル とりうむさいくる

 原子炉内でTh−232が1個の熱中性子を吸収すれば、Th−232→Th−233→Pa−233→U−233の主系列に沿う変換を行い、ウラン−233の核燃料を生成することができる。生成されたU−233は熱中性子に対するη値(中性子再生率)が2.28と大きな値をもっているので、熱中性子での増殖の可能性がでてくる。炉心内にThと混ぜたU−233を装荷し、ブランケットにThを配置しておけば、U−233は核分裂を起しかつTh−232はU−233となる。生成したU−233の量が分裂消滅した量よりも大であれば増殖が達成される。この増殖炉でU−233を燃焼且つ増殖し、更にThとUの混合燃料を製造して同種の原子炉に供給する場合の燃料サイクルをトリウムサイクルという。


<登録年月> 1998年02月

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