中性子遮蔽体

中性子遮蔽体 ちゅうせいししゃへいたい

 中性子線を遮蔽するための壁、扉、衝立などをいう。中性子線は電荷を持たない粒子線であり、物質を透過する能力が非常に大きいので、これを遮蔽するためには物質中での散乱と吸収を利用する必要がある。高速中性子はほとんど吸収されないので、まず原子量の小さな物質(軽水、重水、ベリリウム、黒鉛、パラフィンなど)内での散乱によりエネルギ−を減少させて熱中性子とし、次に熱中性子に対する吸収断面積の大きな物質(ホウ素、カドミウム、ガドリニウム、軽水など)を利用して吸収させる。この中性子捕獲反応の際にガンマ線が放出される場合には、ガンマ線をコンクリ−トなどで遮蔽する必要もある。したがって中性子遮蔽体としてはこれらの組合せが必要である。


<登録年月> 2012年05月

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