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<概要>
米原子力エネルギー協会(NEI)は2005年2月に2004年10月に実施された世論調査報告書を公表した。新しい国民世論調査は、最近の原子力界への高い支持が一層強くなっていることを示している。原子力発電所増設への賛成/支持は72%に達し、過去最高となった。米国成人の67%が原子力の使用に賛意を示している。連邦の安全基準に適合している原子力発電プラントの運転認可の更新を、83%の人々が支持している。
<更新年月>
2005年07月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
I.「賛成する/支持する」がまた、増えている
 全国的世論調査によれば、アメリカ人は、原子力エネルギーを、将来の重要な電力源と考えている。すなわち、80パーセントの人々は、原子力エネルギーは我々の電力需要に応じる重要なエネルギーであると言っている。また、多くのアメリカ人は、これから15年間使われる電源として、原子力エネルギーを挙げた人は他のどの電源よりも多い。太陽エネルギー(19パーセント)、風力(15パーセント)、天然ガス(14パーセント)石炭と水力(それぞれ13パーセント)に比べて、30パーセントもの多くの人々が、原子力エネルギーを選んでいる(図1参照)。
 米原子力エネルギー協会 (Nuclear Energy Institute、NEI) の依頼により、全国から選ばれた1,000人の代表的な成人についての全国的調査は、Bisconti Research Inc. 社(NOP World (正式にはRoper ASW社)の協力を得て、注参照)によって、2004年10月14日〜17日に実施された(誤差3%)。
 公衆は、将来の何十年にも亘って、主要な電力源として、原子力エネルギーと太陽エネルギーをそれぞれ、1位と2位に位置付けている。
 今、アメリカ合衆国はそれらの期待を近いうちに現実とする段階にある。エネルギー会社16社を巻き込んだ3つのコンソーシアムは、連邦の改善された原子力新プラントの建設・運転に関する許認可プロセスをテストしつつある。議会は、これらの新プラント・計画を支援する2005会計年度予算として、6100万ドルを承認した。これは、コンソーシアムを支える政府・産業の費用分担計画に資金を供給する。地域的には、南部と中西部は、原子力エネルギーを我々のエネルギーの将来にとって重要であるとみなす居住者(83パーセント)の割合が多かった。他の地域でも、明白に、大多数が、同じ見方をしている。西部で77パーセント、北東部で75パーセント。

II.「原子力エネルギーを支持」が最高記録
 「原子力エネルギーに賛成」が最高記録に達した。2004年10月に、67パーセント(調査開始以来20年間で最高水準)の回答者は、原子力エネルギーに賛成と言った。
 一方、反対者の割合は、20年間で最も低い水準の26パーセントに落ちた。
これらの傾向は、少なくともある程度は、2001年の電力不足、2003年の停電、高いガソリン価格と中東での紛争の複合に起因する、エネルギー供給と価格に対する不安からきているように思われる(図2参照)。
 調査はまた、原子力プラントの安全の認識と新原子力プラントに対する支持の上昇傾向を示している(図3参照)。

III. 原子力エネルギーの現在の貢献度はよく知られていない
 原子力エネルギーが将来の電力の重要な源であるという公衆の見方にもかかわらず、殆どの人が、今日の原子力エネルギーの貢献度を理解していない(図4参照)。原子力エネルギーは、米国で2番目に大きい電源で、米国の家庭と企業の電力の5分の1を作っている。それでも、11パーセントの人は、今日最も多く使われる電源の1つとして、原子力エネルギーの名をあげた。ほぼ3分の1は、正しく石炭の名をあげた。同様の質問をした1997年の18パーセントからは増加が著しい。
 1997年の22パーセントと比較して、28パーセントは、10月の調査で、天然ガスを最も使われた電力源の1つと引用した。電力生産のための天然ガスの使用は、過去7年間にかなり拡大した。

IV. 原子力エネルギーの大気保全に関する利点はよく知られていない
 10月の調査でも、原子力エネルギーは大気汚染がないという利益は公衆に広く知られていないことが明らかになった。
 原子力エネルギーは、アメリカ合衆国での放出のない最大の電源である。
 アメリカの電力の27パーセントは、放出のない電源によって生産される(原子力、水力、太陽は、風力、そして、地熱)。放出のない電力の内の72パーセントを、原子力エネルギーは提供する、水力は、25パーセントを提供し、太陽、風力そして地熱は、全部で2パーセントを提供する。それでも、29パーセントの人は、原子力エネルギーを大気の品質保全のための最善の電源として評価した。原子力エネルギーの大気保全に関する評価は平均値である。原子力の大気汚染がないという利点の認識に大きい男女間の格差がある(図5参照)。男性の43パーセントに比較して、女性の16パーセントが原子力エネルギーを、大気の品質保全のための最高のものと評価した。

V. 原子力エネルギーに関する情報の影響
 新しい原子力発電所の可能性と原子力エネルギーに関する限られた公開の知識を与えて、新原子力発電所建設の文脈に沿った、原子力エネルギーの利益と安全に関する情報を伝える9つの文について、回答者に質問した。彼らが文を聞く前に、回答者に以下のシナリオを描くよう頼んだ:
「将来貴方の地域でもっと多くの電気が必要であると想像しよう、そして、電力会社はすでに動いている一番近い原子力発電所のサイトに新しい原子力発電所を加えようとしている。」
 全ての9つの声明は、決定を支持する人たちの支持への傾斜をかなり増加させた。9つの声明の内、主要な声明は、以下の通りである:
1. 原子力発電所は温室効果ガスを殆ど放出しないので、原子力発電所は大気の保全に役立つ。それは放出のない電源である。
2. 連邦原子力規制委員会Nuclear Regulatory Commissionは、毎日、各原子力発電所を検査し監視する。
万一、原子力発電所が安全に働いていないならば、規制当局は安全の実行が改善するまで、発電所をシャットダウンする。
3. 電気を作るために、電源を原子力エネルギーに変えることは、化石燃料と世界の不安定部分からのエネルギーへの米国の依存を減少させる。
4. 新しい改良型原子力発電所は、最高水準の安全技術を持っている。
情報を聞いた後に、最も近いサイトでの新原子力発電所が許容できると言う人は、62パーセントから72パーセントへと、10パーセント増加した(図6参照)。

VI. 原子力エネルギーの重要性と安全性に関する推移
 NEIの全国的世論調査は、1998年1月から実施されて、1998年11月以来以下のように、報告書が出版されている。
 2005年 2月、2004 年6月、2003年 11月、2003年 7月、2002年 12月、2002 年7月、2002年 6月、2002年 3月、2001年 11月、2001 年9月、2001 年4月、2000 年12月、2000 年11月、2000年4月、1999 年5月、1999 年3月、1998 年11月
 この間の原子力の重要性、原子力の安全性の認識、認可の更新、発電所の増設に関する賛否の割合の推移を図3に纏めて示している。
 注:Bisconti Research Inc. 社は、米国エネルギー協会(NEI)の前副会長であるアン・ビスコンティ博士が1996年に設立した組織である。 NOP World社は世界で10指に入るマーケット調査機関の一つである。以下の米国及びヨーロッパの著名な調査会社を一つのグローバルな組織に結合させて活動している。
 Allison-Fisher、Mediamark Research Inc., Market Measures/Cozint, NOP Research Group, NOP World Healthcare, Roper ASW, Roper NOP Consulting, Strategic Marketing Corporation
<図/表>
図1 将来の電源
図1  将来の電源
図2 米国公衆の原子力賛成・反対の割合の推移
図2  米国公衆の原子力賛成・反対の割合の推移
図3 原子力エネルギーの重要性と安全の認識の傾向
図3  原子力エネルギーの重要性と安全の認識の傾向
図4 今日の電源
図4  今日の電源
図5 大気品質保全に最適な電源の1つに原子力を挙げた人の割合
図5  大気品質保全に最適な電源の1つに原子力を挙げた人の割合
図6 主要な事実を聞く前後の回答の差
図6  主要な事実を聞く前後の回答の差

<関連タイトル>
欧州連合市民と放射性廃棄物 (10-05-04-01)
欧州連合市民とエネルギー問題 (10-05-04-02)
米原子力エネルギー協会(NEI)の世論調査(2003年5月) (10-05-04-03)

<参考文献>
(1)米原子力エネルギー協会(NEI):http://www.nei.org/,NEWSROOM>NEI Publications、 Perspective on Public Opinion
(2)米原子力エネルギー協会(NEI):>Perspective on Public Opinion,2005 February(PDF-2.09M)
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