<大項目> 核燃料リサイクル施設
<中項目> 採鉱
<小項目> 採鉱法とその実施
<タイトル>
米国のウラン鉱山 (04-03-01-06)

<概要>
 米国のウラン生産量は2000年前半において低調であったが、各国の原子力政策が見直され、ウランの需要が高まるにつれて米国でもウラン鉱床の探鉱、評価、開発と製錬作業が活発化している。在来型新規製錬所と比較して、少ない資本コストと短い建設期間で操業が可能な原位置溶液採鉱法(ISL)のライセンス取得に関し、州及び連邦政府監督官庁の法的要件を満たすことが容易なワイオミング州、コロラド州、ユタ州、ニューメキシコ州及びテキサス州において計画または進行中である。
 2012年時点、米国のウラン生産は、坑内採掘6箇所とISLによる鉱山5箇所、その他1箇所で行われており、ウランの生産量は1,667tUで、2011年より5%上昇した。
<更新年月>
2014年11月   

<本文>
1.ウラン鉱山の概要
 米国の主要ウラン生産センターの概要を表1-1及び表1-2に、また、同生産センターの位置を図1に示す。
 OECD/NEA, IAEA発行のUranium 2014(Resources,Production and Demand)(レッドブック)によると、2012年時点、米国のウラン生産は、坑内採掘6箇所と低コストで生産できる原位置溶液採鉱法(「ISL」、以下同じ。)による鉱山5箇所、その他1箇所から、2011年比5%増加の1,667tUであった。
 また、ウラン精鉱(イエローケーキ)は、1箇所の米国ウラン製錬所(White Mesa)と5箇所のISL生産センター(Crow Butte、Alta Mesa、La Palangana、Smith Ranch-Highland及びWillow Creek)で生産され、2012年にこれらの施設から出荷されたウラン精鉱量は2011年生産量より4%増加し1,595tUであった。2004年の出荷量877tUと比べ、精鉱量は1.8倍以上増加している。米国におけるウラン生産量と国内ウラン探査費の推移を図2に示す。
 近年、各国の原子力政策が見直されてウランの需要が高まったため、2007年6月にはウラン(U3O8)のスポット価格が120US$/lbに達した(図3参照)。米国ではウラン鉱床の探鉱、評価、開発と製錬作業が活発化し、多くのISLライセンス申請、探鉱許可の要請、有料の製錬契約及び新規の在来型製錬所建設の予備計画が連邦及び州の規制当局に提出された。ISLのライセンス取得は、ワイオミング州、コロラド州、ユタ州、ニューメキシコ州、テキサス州等の州及び連邦政府監督官庁の法的要件を満たすことが容易であるため、在来型新規製錬所と比較して、少ない資本コストと短い建設期間で操業が可能である。また、これらの生産施設は、国の内外から資本が投じられた国営企業及び民間企業が所有している。2012年末時点、運転中の5箇所(合計3,770tU/年)のISL生産センターのほか、テキサス州のKingsville DomeやRosita ISR 鉱山(合計770tU/年)が待機中である。また、ワイオミング州のLost CreekやNichols Ranch ISRプロジェクトが開発中で、ニューメキシコ州、サウスダコタ州、テキサス州、ワイオミング州でも7箇所が計画中である。
 米国のウラン探査活動に関しては、1997年から2003年にかけて試錐(ボーリング)費用は一貫して減少を続けたが、2004年以降のウラン価格の全般的上昇により、増加傾向に転じた。2008年の地表試錐費用は8,190万米ドルに上り、2004年比673%増という伸びで、アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、モンタナ州、ネブラスカ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、オレゴン州、サウスダコタ州、テキサス州、ユタ州、ワイオミング州など幾つかの州で、既存のウラン鉱床地域をリースする取組みに再度関心が高まった。2008年後半は一時急激に減少したが、2009年からは緩やかな増加傾向にある。2012年に米国で投じられたウランの地表試錐費用は6,660万米ドル、2011年の5,360万米ドルから1,300万米ドルの増加となった。
 米国のウラン確認資源量(RAR)は2009年以降見積もりを更新していない。2009年1月1日時点、推定追加資源量(EAR))及び期待資源量の見積り値は1994年以降変化していない。
2.生産中の鉱山
(1)Crow Butte
 Crow Butte鉱山はネブラスカ州に位置するISL鉱山で、カナダCameco社が100%保有する。本鉱山は1991年に生産を開始した。本鉱山の年間生産能力は385tUである。ウラン埋蔵量は公表されていない。砂岩型鉱床であるCrow Butte 及びNorth Trend鉱床を対象とする。
(2)Smith Ranch/Highland
 Smith Ranch鉱山及びHighland鉱山は、ユタ州に位置するISL鉱山で、Smith Ranchは1997年に、Highlandは1986年に生産を開始した。両鉱山あわせて年間生産能力は2,116tUである。ウラン埋蔵量は公表されていない。砂岩型鉱床であるSmith Ranch/Highland鉱床を対象とする。
(3)White Mesa Mill
 White Mesa Mill鉱山はテキサス州に位置する坑内採掘型鉱山である。本鉱山は1980年に生産を開始した。本鉱山の年間生産能力は1,538tUである。ウラン埋蔵量は公表されていない。砂岩/角礫パイプ型鉱床である多数の鉱床を対象とする。
(4)Hobson ISR Plant
 Hobson ISR Plant鉱山はテキサス州に位置するISL鉱山である。本鉱山は1979年に生産を開始した。本鉱山の年間生産能力は385tUである。ウラン埋蔵量は公表されていない。砂岩型鉱床であるPalangana鉱床を対象とする。
(5)Alta Mesa
 Alta Mesa鉱山はネブラスカテキサス州に位置するISL鉱山で、カナダのUranium Resources社が保有する。本鉱山は2005年に生産を開始した。本鉱山の年間生産能力は385tUである。ウラン埋蔵量は公表されていない。砂岩型鉱床であるAlta Mesa鉱床を対象とする。
3.鉱床の用語解説
・砂岩型鉱床:
 このタイプの鉱床の大部分は、河川または縁海成の環境で堆積した砂岩中に存在している。湖成及び風成の砂岩もまた鉱化作用(岩石中に鉱物が生成し、鉱床が形成される作用をいう)を受けるが、ウラン鉱床に発達することはまれである。母岩はほとんどの場合、あまり分級されていない中粒〜粗粒の砂岩で、黄鉄鉱や植物起源の有機物を含んでいる。堆積物は一般に凝灰岩を伴っている。このタイプの鉱床はアルコース質または石英質の砂岩中にあり、非酸化鉱床はピッチブレンドとコフィナイトからなっている。風化作用を受けるとカルノー石、ツヤムナイト及びウラノフェーンなどの二次ウラン鉱物が形成される。
 米国のウラン生産量の大部分がCordillera山系西部の第三系、ジュラ系、三畳系の砂岩からもたらされている。
・砂岩/角礫パイプ型鉱床:
 この型の鉱床は落下岩片が充填した円形の垂直パイプ内に分布する。ウランは透水性の高い角礫岩基質やパイプ周辺のアーチ状断裂帯に一次ウラン鉱物(通常は閃ウラン鉱)として濃集している。こうした鉱床は米国グランドキャニオン北のArizona Stripや南側直近にある鉱床が該当する。
(前回更新:2005年1月)
<図/表>
表1-1 米国の主要ウラン生産センターの概要(1/2)
表1-2 米国の主要ウラン生産センターの概要(2/2)
図1 米国の主要ウラン生産センター位置図
図2 米国におけるウラン生産量と国内ウラン探査費の推移
図3 ウラニウム価格の推移

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
ウラン生産国と資源状況 (04-02-01-06)

<参考文献>
(1)OECD/NEA,IAEA:Uranium 2014:Resources,Production and Demand,OECD(2014年9月)
(2)OECD/NEA,IAEA:Uranium 2001 (2002年)、Uranium 2003 (2004年)、Uranium 2005 (2006年)、Uranium 2007 (2008年)、Uranium 2009 (2010年)、Uranium 2011 (2012年)
(3)世界原子力協会(WNA):Uranium Markets-Uranium U3O8 price、2014年4月、
http://www.world-nuclear.org/info/Nuclear-Fuel-Cycle/Uranium-Resources/
Uranium-Markets/
(4)IAEA:NUCLEAR FUEL CYCLE INFORMATION SYSTEM(INFCIS)、List of Nuclear Fuel Cycle Facilities、https://infcis.iaea.org/NFCIS/Facilities/Facilities
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