<大項目> 核燃料リサイクル施設
<中項目> 採鉱
<小項目> 採鉱法とその実施
<タイトル>
カナダのウラン鉱山 (04-03-01-05)

<概要>
 2008年時点で、カナダではMcArthur River鉱山(製錬所はKey Lake)、Rabbit Lake鉱山、McClean Lake鉱山がウラン生産を行っている。いずれの鉱床もサスカチワン州北部のアサバスカ堆積盆地に位置する高品位・低コストの不整合関連型鉱床である。
 また、アサバスカ堆積盆地では2011年以降の生産開始を目指してCigar Lake鉱山とMidwest鉱山の開発が進められている他、2010年代中頃の生産開始を目指して、Millennium鉱床のプレFSが行われている。さらに、ヌナブット準州のシーロン堆積盆地では、2017年頃の生産開始を目指して、Kiggavic/SissonsプロジェクトのFSが行われている。
<更新年月>
2009年02月   

<本文>
1.ウラン鉱山の概要
 2007年のカナダのウラン生産量は9,476tUで、2006年の9,862tUよりやや減少したが、世界全体のウラン生産量の23%を占め、世界第1位を維持している。ウラン価格が上昇しているにもかかわらず、2005年の生産量(11,628tU)よりも減少し続けているのは、Cigar Lake鉱山などの新規開発が急速には進まず、高品位鉱石の供給が製錬所の生産容量に追いついていないためである。
 カナダで現在操業中の鉱山は、McArthur River、Rabbit Lake、McClean Lakeの3鉱山で、いずれの鉱床もサスカチワン州北部のアサバスカ堆積盆地の東縁に位置する高品位・低コストの不整合関連型鉱床である。
 目下、Cigar Lake鉱山が2011年末からの開発を目指して施設を建設中、Midwest鉱山も2011年の生産開始を目指して、政府への許認可手続きを行っているが、いずれも若干の遅れが予想されている。
 図1にカナダ・アサバスカ堆積盆地のウラン鉱山と主要鉱床の位置図を、表1にカナダのウラン鉱山・鉱床の概要を示す。
2.生産中の鉱山
(1)McArthur River鉱山/Key Lake製錬所
 McArthur River鉱山(図2)は、1999年の末から操業を開始した世界最大規模の高品位坑内掘鉱山である。製錬はKey Lake製錬所で行っている。現在の公称生産容量は7,193tU/年であるが、2008年にKey Lake製錬所の拡張工事を行い、8,460tU/年への容量拡張を政府に申請した。2007年には生産容量とほぼ同じ7,199tUを生産した。カナダのカメコ社(70%)とフランスのアレバ社(30%)が共同で生産を行っており、カメコ社がオペレーターを行っている。
(2)Rabbit Lake鉱山
 Rabbit Lake鉱山は、1976年に生産を開始した。Rabbit Lake鉱床およびCollins Bay鉱床の露天採掘は既に終了し、1991年からはEagle Point鉱床の坑内採掘を行い、鉱石をRabbit Lake製錬所で処理している。カメコ社が100%権益を所有している。
 Rabbit Lake製錬所の公称生産容量は4,615tU/年であるが、最近は鉱石の給鉱が不足し生産容量の半分以下の生産を行っている。2007年には古い探鉱試錐孔からの坑内出水により一時採掘が中断し1,544tUしか生産できなかった。Eagle Point鉱床の採掘は2011年までで終了し、その後はCigar Lake鉱山の鉱石の57%をRabbit Lake製錬所で処理する計画である。
(3)McClean Lake鉱山
 McClean Lake鉱山は、1999年7月に生産を開始した。アレバ社、日本の海外ウラン資源開発株式会社(OURD)およびカナダのDenison社による共同開発である。
 本鉱山はMcClean Lake鉱床、Sue鉱床、Jeb鉱床およびCaribou鉱床から構成され、Jeb、Sue C、Sue A、Sue Eの順に露天採掘が行われ、2008年の前半にSue Eの採掘が終了した。現在はSue Bの採掘が行われている。また、Caribou鉱床の露天掘の環境影響評価およびMcClean Lake鉱床の坑内採掘試験が実施されている。
 Jeb鉱床の採掘跡は鉱滓ピットとして活用され、鉱石はJeb製錬所で処理されている。Jeb製錬所の2度目の拡張工事は2005年から開始され、公称生産容量は3,077tU/年から4,615tU/年へ拡張された。現在、Cigar Lake鉱山からのスラリー鉱石を受け入れ処理するための大規模拡張工事が実施されている。
3.開発計画中の鉱山
(1)Cigar Lake鉱山
 Cigar Lake鉱山の開発は2005年1月に着手され、当初は2007年末からの生産を予定していたが、2006年4月と10月の2度の坑内出水事故の修復作業のため、生産開始は早くとも2011年末以降に遅れることとなった。カメコ社、アレバ社および日本の出光興産株式会社、東京電力株式会社による共同事業である。
 Cigar Lake鉱床は、近傍に位置するMcArthur River鉱床と共に世界屈指の高品位大鉱床である。本鉱床のウラン埋蔵量および資源量の合計は135,000tU、その平均品位は15.4%Uと見積られている。
 本鉱山は高品位鉱石を採掘する第1フェーズ(15年間)とより低品位の鉱石を採掘する第2フェーズ(25年間)に分けて生産されることになっている。第1フェーズは、3年間の立ち上げ期間の後、年間6,920tU規模で生産し、第2フェーズの25年間は年間2,308tU規模で生産する計画である。
 本鉱山では、ウラン品位が高く坑内作業員の放射線被ばくを防止するためにジェット・ボーリング法を用いた遠隔採鉱法が採用され、変質・破砕作用を受けて脆弱な鉱体は人工凍結された後採掘される。坑内でスラリー状に処理され地上にポンプアップされた鉱石は、まずすべてMcClean Lake鉱山のJeb製錬所に送られ前処理される。前処理された貴液の57%はRabbit Lake製錬所に送られイエローケーキを生産することになっている。
(2)Midwest鉱山
 当初はジェット・ボーリング法を用いた坑内掘による開発が計画され、1998年4月に連邦・州合同環境影響審査が終了していたが、その後露天掘による開発に改められ、現在その環境影響審査が行われている。2009年に建設着手し2011年の生産開始が見込まれていたが、2008年末の世界経済危機を受けて、開発決定は経済状況およびウラン市況の好転を待って行われることとなった。
 アレバ社、Denison社および日本の海外ウラン資源開発株式会社(OURD)による共同事業である。
 Midwest鉱床のウラン埋蔵量は14,230tU、その平均品位は3.4%Uと見積られている。剥土も含め採掘は5年間で終了し、鉱石はMcClean Lake鉱山のJeb製錬所で処理する計画である。
4.開発検討中の鉱床
 アサバスカ堆積盆地東部では、McArthur River鉱山の西南方に位置するCree ExtensionプロジェクトのMillennium鉱床において、2006年からプレFSが開始されている。本プロジェクトは、カメコ社、日本の日加ウラン株式会社(JCU)およびアレバ社の共同事業である。Millennium鉱床は、21,730tU(平均品位3.19%U)の資源量を有しており、地下700m前後の基盤岩中に産する。2010年代半ば以降の生産開始が見込まれている。
 ヌナブット準州のシーロン堆積盆地北西部では、アレバ社、日加ウラン株式会社(JCU)および韓国の大宇が共同で進めるKiggavicプロジェクトの探鉱が2007年から再開され、2008年から2009年にかけてFSが実施されている。Kiggavicプロジェクトは、Kiggavic鉱床、Andrew鉱床およびEnd鉱床からなり、いずれも基盤岩中に産するが、不整合関連型と考えられている。全体の資源量は52,000tU、平均品位は0.23%Uで、44,000tUが回収可能な埋蔵量と推定されている。KiggavicおよびAndrew鉱床は露天掘、End鉱床は坑内掘が予定され、2015年から採掘が開始され、2017年からウラン生産が開始されると見込まれている。
(前回更新:2001年1月)
<図/表>
表1 カナダのウラン鉱山・主要鉱床の概要(2008年末現在)
図1 カナダ・アサバスカ堆積盆地のウラン鉱山と主要鉱床(2008年末現在)
図2 McArthur River鉱山

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<関連タイトル>
世界のウラン資源量と需給予測(レッドブック2003) (04-02-01-07)
カナダのウラン鉱業政策と資源量(レッドブック2003) (04-02-01-09)
イエローケーキ(ウラン精鉱)の性質 (04-04-01-03)

<参考文献>
(1)Saskatchewan Ministry of Energy and Resources:Saskatchewan Exploration and Development Highlight 2008(2008/12),p.5−11
(2)CAMECO: Annual Report 2007,(2008/3)
(3) Areva Resources Canada,Website: http://www.arevaresources.ca/operations/index.html
(4)World Nuclear Association(WNA),Website:http://www.world−nuclear.org/info/inf23.html
(5)Areva Resources Canada:The Kiggavic Project−Project Proposal(2008/11),p.1−3
(6)CAMECO,Website:http://www.cameco.com/uranium/
(7)Carl et al.:Mineralogy and U/Pb,Pb/Pb,and Sm/Nd geochronology of the Key Lake uranium deposit,Athabasca Basin,Saskatchwan,Canada. Can. J. Earth Sci.(1991),p.881
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