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<概要>
 世界の原子力発電所の1990年から2004年までの、原子力発電所の設備利用率の推移を国別にまとめるとともに、2003年までについては炉型別の推移をも示した。
<更新年月>
2007年01月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
 2004年12月末現在、世界で運転中の1万kW以上の原子力発電所は434基、合計出力は3億7920万kW(2002年:436基・3億7373万kW、2003年:434基・3億7620万kW)に達し、炉型別では、加圧水型原子炉(PWR)と沸騰水型原子炉(BWR)が主流になっている。
 表1−1表1−2表1−3に、世界の原子力発電所の1990年から2003年までの、設備利用率推移を炉型別及び国別に示す。表2に世界の原子力発電所の国別の設備利用率(1990年〜2004年)を示す。
 日本の沸騰水型(BWR)、加圧水型(PWR)原子力発電所は、いずれも1990年代後半以降は80%台を維持しており、高い水準にあるといえる。しかし、2002年8月に発覚した東京電力による自主点検記録の不正問題などに端を発し、原子力発電所の立地自治体などからの運転中止や総点検の要請が強まった。これに応えて東京電力が保有するBWRの点検が2002年末から順次開始された。2003年4月福島第一6号機の運転が停止され、同社が保有する17基全てを停止した。このためBWRの設備利用率は、2002年71.9%、2003年35.4%と異例の事態となった。しかし、2004年度、2005年度は各々、63.4%、65.2%となり、設備利用率は回復してきた。
 表のなかで、GCRは黒鉛減速炭酸ガス冷却型原子炉、AGRは改良型ガス冷却炉、HWRはガス冷却重水炉、LWGRは黒鉛減速軽水冷却炉、FBRは高速増殖炉を表わす。
 なお、設備利用率は
 設備利用率=( 発電電力量/(認可出力×暦時間) )×100(%)
と定義する。
(前回更新:2004年9月)
<図/表>
表1−1 世界の原子力発電所の炉型別の設備利用率(1990〜2003年)(1/3)
表1−1  世界の原子力発電所の炉型別の設備利用率(1990〜2003年)(1/3)
表1−2 世界の原子力発電所の炉型別の設備利用率(1990〜2003年)(1/3)
表1−2  世界の原子力発電所の炉型別の設備利用率(1990〜2003年)(1/3)
表1−3 世界の原子力発電所の炉型別の設備利用率(1990〜2003年)(1/3)
表1−3  世界の原子力発電所の炉型別の設備利用率(1990〜2003年)(1/3)
表2 世界の原子力発電所の国別の設備利用率(1990〜2004年)
表2  世界の原子力発電所の国別の設備利用率(1990〜2004年)

<関連タイトル>
沸騰水型原子炉(BWR) (02-01-01-01)
加圧水型原子炉(PWR) (02-01-01-02)
黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉(RBMK) (02-01-01-04)
カナダ型重水炉(CANDU炉) (02-01-01-05)
改良型ガス冷却炉(AGR) (02-01-01-07)
ガス冷却重水炉(HWGCR) (02-01-01-08)
高速増殖炉 (03-01-01-01)

<参考文献>
(1)日本原子力産業会議:原子力ポケットブック2004年版(2004年8月)、p.124-127
(2)日本原子力産業会議:世界の原子力発電開発の動向 2003年次報告(2004年5月)、p.26、p.78
(3)日本原子力産業会議:原子力ポケットブック 1998/99年版(1999年2月)、p.139-140
(4)原子力委員会:平成15年版 原子力白書(2003年12月)
(5)日本原子力産業会議:原子力ポケットブック2005年版(2005年7月)、p.128-124
(6)電気新聞:原子力ポケットブック2006年版、日本電気協会新聞部(2006年7月)、p.126-127
(7)日本原子力産業会議:世界の原子力発電開発の動向 2004年次報告(2005年5月)、p.4
(8)日本原子力産業会議:世界の原子力発電開発の動向 2005年次報告(2006年5月)、p.4
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