<概要>
今日の生活は膨大なエネルギー消費の下に築かれている。日本の50年前の一次エネルギーは、0.64万ペタジュール(PJ)であった。それ以降、経済と社会の発達によりエネルギー需要は急速に高まり、2006年の一次エネルギーは2.27万PJとなった。この間に、価格と利便性から石油の利用量は増加し、2006年には一次エネルギーの44.1%を占めている。世界でも同様な傾向が見られ、一次エネルギーの35.8%を石油が占めている。2008年に発表された世界の原油埋蔵量は1兆2379億バレル、
可採年数は41.6年である。このうち、61%は中東に在る。生産量を比較すると、中東が世界需要の1/3を供給している。ほかに、
オイルサンドで1兆5423億バレルの石油の存在が確認されている。
<更新年月>
2009年02月
<本文>
1.日本のエネルギー供給
今日の生活は膨大なエネルギー消費の下に築かれている。
図1は日本の一次エネルギー供給の年度別変化である。約50年前の一次エネルギーは、約0.64万ペタジュール(PJ)であった。当時の自給率は約80%。それ以降、経済と社会の発展とともにエネルギー需要が高まり、2006年の一次エネルギーは50年前の3.5倍近い約2.27万PJになった。この間に、価格と利便性から石油の利用量は増加し、1973年度にはエネルギー供給の76%を占めた。その後2度の
石油危機を経て、エネルギーの多様化が進んだが2006年には44.1%を占めている。
2度の石油危機から、原油の輸入先の多様化も進められた。しかし、近年のアジアの工業化の進展から再度中東への依存率は高くなり、2006年度は原油の99.6%を輸入しており、輸入量の89.2%は中東産である。
2.世界のエネルギー供給
図2は、世界の一次エネルギー消費の推移である。世界の経済成長とともに一次エネルギー消費も増加しており、1965年の39億トン(石油換算)から2006年には109億トンに達している。増加には地域差があり、先進国地域では経済成長率や人口増加率は小さく原油消費の伸び率は小さいが、開発途上国地域では大きな経済成長率と人口増加により伸び率は大きい。一次エネルギーのうち、石油、石炭および天然ガスの化石燃料が大勢を占め、2006年には約88%になる。そのうち、40.7%は原油である。原油の供給量と価格が、世界の経済に大きな影響を与える。
3.原油の埋蔵量と生産量
(1)埋蔵量と可採年数
原油の埋蔵量は、新油田の開発、採掘技術の向上、および原油価格によって変動する。原油価格が上昇すると、採算のとれる原油の量が増えることになり埋蔵量は増えることになる。技術的に採掘できる原油量は、経済状況と技術力で変る。可採年数は、埋蔵量を計算する時点の生産量で除して得られる時間である。この値も政治と経済で変る。
(2)世界の埋蔵量と生産量
図3は2008年に発表された世界の地域別原油埋蔵量である。総埋蔵量は1兆2379億バレル、2007年の生産量は298億バレル/年(81.5Mバレル/日、
図4−A)なので可採年数は41.6年となる。ほかに、オイルサンドで1兆5423億バレルの存在が確認されている。
図4−Aは、地域別の原油生産量である。生産量は、1980年代に需要の減少により一時下がったが、その後世界の経済成長に合わせ緩やかに上昇している。2007年の生産量を比較すると、中東が世界の1/3を占めている。
図4−Bは、地域別の原油(石油)消費量である。この統計には、エタノールやバイオディーゼル燃料も含んでいる。北米(米国とカナダ)、ヨーロッパ・旧ソ連、アジア・太平洋地域で約83%を消費している。アジア地域の石油消費の近年の増加は、開発途上国の経済成長に伴うものである。中南米、中東およびアフリカ諸国の消費量は小さい。中東に産油国が多いことと考え合わせると、将来の同地域の経済の発達が世界の原油消費量と価格、さらに経済に大きな影響を与えることを示唆する。
(3)日本の原油生産量
国内生産量:新潟県(南長岡、岩船沖、東新潟)、秋田県(由利原)、北海道(勇払)等で原油が採掘されている。年間生産量は、2007年度では979千キロリットル、原油需要の0.4%である。
海外自主開発原油の輸入量:中東、旧ソ連、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、北米等で日本の石油開発会社や商社は権益を取得し自主開発油田を開発している。そこからの輸入量は2007年度では1.7億バレル、原油需要の11.2%である。
(前回更新:2004年2月)
<図/表>
図1 日本の一次エネルギー供給実績
図2 世界の一次エネルギー消費の推移
図3 2007年、世界の原油埋蔵量
図4 2007年、地域別の原油生産量と消費量
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<関連タイトル>
世界のエネルギー資源の埋蔵量 (01-07-01-01)
国際エネルギー情勢と今後の展望 (01-07-02-01)
アジア地域におけるエネルギー消費の予測(1993年科学技術政策研究所) (01-07-02-02)
超長期エネルギー需要の見通し(1994年総合エネルギー調査会) (01-07-02-03)
主要先進国のエネルギー需要の動向 (01-07-02-08)
アジアにおけるエネルギー動向 (01-07-02-10)
アジア太平洋地域のエネルギー需給見通し(2001年、APERC) (01-07-02-12)
<参考文献>
(1)電気事業連合会:原子力・エネルギー図面集 2008年版、http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/nuclear/zumenshu/pdf/all01.pdf
(2)BP:Statistical Review of World Energy 2008,Oil statistics,http://www.bp.com/sectiongenericarticle.do?categoryId=9023769&contentId=7044915
(3)資源エネルギー庁:エネルギー白書2008、第2部 第1章 国内エネルギー動向、http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/index.htm
(4) 石油鉱業連盟:わが国石油・天然ガス開発の現状、http://www.sekkoren.jp/