<大項目> 原子力基礎データ(略語、元素周期表、諸単位など)
<中項目> 諸単位
<小項目> 放射能、放射線
<タイトル>
放射能と放射線の単位 (18-04-02-01)

<概要>
 放射能量の単位として、従来は、Ci(キュリー)が使用されてきたが、国際度量衡総会の決議を受け、Bq(ベクレル)をわが国でも使用することになった(1978年5月)。1Bqは単位時間あたり壊変する原子数で定義され、27.0×10−12Ci(27pCi)に等しい。従来のCiは補助単位として使用できることになっており、1Ciは3.7×1010Bqに等しい。
 放射線の量は、放射能と異なり多くの単位がある。一般的には、X線γ線による空気の電離量を表わす「空気吸収線量Gy(グレイ)」(旧単位系では照射線量R(レントゲン))がよく用いられる。
<更新年月>
2004年03月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
1.放射能の単位
 「放射能」は、ある物質中のある放射性核種が単位時間内に何回壊変を起こすかを示すものであり、注目している物質中に含まれているその放射性核種の量と半減期により決まる。いわば、発生源の強さに相当するものである。
 放射能の単位として、従来は、Ci(キュリー)が使用されてきたが、国際度量衡総会の決議を受け、Bq(ベクレル)をわが国でも使用することになった(1978年5月)。従来のCi単位は、補助単位として使用できることになっている。その他に中性子源などの強度を表す単位に、粒子放出率、言い換えると、単位時間に放出される粒子の放出数(/s)で表す方法がある。
(1)Bq(ベクレル)
 注目される核種の放射能を、単位時間あたりに壊変する原子数で表示するものである。国際単位では、放射能の発見で知られるベクレルの名に因むベクレル(Bq)でもって、毎秒1個の壊変数(disintegration per second:dps)を1Bqとした。
   1Bq = 2.703×10-11Ci = 27.0×10-12Ci = 27.0pCi
(2)Ci(キュリー)
 ラジウムを発見した女性物理学者マリー・キュリーの名に因んで名付けられた。現在補助単位として用いられるCiは、歴史的に1gの226Raの放射能を基準にして定められた単位で、毎秒の壊変数が3.7×1010に相当する放射能の強さとして定義される。
 1Ciは、3.7×1010Bqに等しい。これには、mCi(3.7×107Bq)、μCi(3.7×104Bq)、pCi(3.7×10-2Bq)がある(通常、226Raの放射能には、その娘核種も貢献しているので、1Ciは、1010dpsとして定義し直されている)。1gの白金(Pt)板の中には、天然の放射性核種である190Ptが約3.4pCi(ピコキュリー0.125Bq)含まれている。190Ptはα崩壊をする核種で、1gの白金は、毎分7〜8崩壊の割合でα崩壊をしている勘定になる。現在の日本人の体内には、0.1μCi(3700Bq)の放射性カリウム(40K)が含まれている。
   1Ci = 3.7×1010+Bq
(3)粒子放出率
 中性子源などの強度を表す単位に、粒子放出率、言い換えると、単位時間に放出される粒子の放出数(/s)で表す方法がある。
(4)放射能単位の変換
 表1に新旧の放射能単位の変換を示す。
2.放射線の単位
「放射線」の量は放射能のように発生源の強さを示すものではなく、ある注目している物質中のある場所を通過する放射線の数、または放射線が通過することによりその物質が吸収した量(例えば電離量、発生イオン対数、吸収エネルギーなど)を示すものである。いわば放射線の「場」の強さ、或いは放射線の通過量に相当する。従って、放射線の通過に伴うどのような量に注目するかによって多くの種類の「放射線の量」の定義が存在する。ここでは主要なものいくつかについて述べる。
(1)粒子フルエンス
 ある場所を通過する単位面積当たりの放射線粒子数。粒子フルエンス「率」という場合は、単位時間当たりの粒子フルエンスを示す(以下同じ)。
(2)吸収線量
 ある場所のある物質中に吸収された放射線エネルギー量。旧単位系では、放射線の通過により注目物質1g中に100erg吸収されることを1rad(ラド)と表わしていたが、現在はGy(グレイ)を用いる(1Gy=100rad)。
(3)照射線量
 放射線の通過により発生した電荷量を基準とする考え方。標準状態(0℃、760mmHg)の乾燥空気1cc中に1esu発生した場合を旧単位系では1R(レントゲン)とした。これを新単位系で表わすと2.58×10-4C(クーロン)/kgに相当するが、イメージが湧きにくいためかあまり使われない。一方、照射線量は、空気に対する吸収線量と同じであり、Gy単位とは1R=8.7m(ミリ)Gyの関係がある。通常の自然γ線線量率は数μ(マイクロ=1.0×10-6)R/時であり、これをGyで表わせば数10n(ナノ=1.0×10-9)Gy/時となる。
(4)線量及び実効線量
 身体の一部または臓器(例えば胃)に注目し、その胃が受ける吸収線量に放射線の種類やエネルギーを考慮して決めた線質係数QFを乗じた量を線量という。これは、その臓器に対する放射線の生物学的影響を表わす指標として放射線防護の分野で用いられている考え方である。単位はrem(レム:旧単位系)とSv(シーベルト:新単位系、1Sv=100rem)を用いる。
 実効線量HEは、体内全ての臓器iについて放射線に対する感受性と発がんリスクを考慮した荷重係数Wiを定めておき、HE=ΣDi×Wi(Diは臓器線量)により与えられるもので、身体全体の放射線影響を示す量として用いられている。最近は実効線量と呼ばれているが、定義は殆ど同じである。
以上をまとめて表2に示す。
<図/表>
表1 放射能単位の変換
表2 放射能と放射線の主要単位一覧

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<関連タイトル>
国際放射線単位測定委員会(ICRU) (13-01-03-11)
線量に関する単位 (18-04-02-02)
照射線量に関する単位 (18-04-02-03)
吸収線量に関する単位 (18-04-02-04)
カーマ(Kerma) (18-04-02-05)

<参考文献>
(1)飯尾、小林:アイソトープ・放射線の利用、原子力の基礎講座 7、日本原子力文化振興財団(1984)
(2)日本アイソトープ協会(編):新ラジオアイソトープ 講義と実習
(3)日本アイソトープ協会(編):ラジオアイソトープハンドブック
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