<大項目> 国際協力・原子力関連機関
<中項目> 海外の原子力関連機関
<小項目> 政府関連機関(NRC・EPA・ORNL等)
<タイトル>
ロシア連邦原子力企業ロスアトム(Rosatom) (13-01-02-09)

<概要>
 2007年にロシア連邦原子力庁(Minatom)は、国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)に再編成された。ロスアトムの使命は、原子力開発利用の管理統一、原子力産業の育成、核兵器システムの安全管理、放射性物質放射線の管理および安全保障である。また、原子力の平和利用、核不拡散関連の活動も進める。原子力の民生と軍事利用および安全保障が一体化して運営される。2009〜2015年の長期計画が策定されており、2009年1月1日から実施に移された。計画遂行のため、約2兆ルーブル(780億米ドル)の資金を計画している。アトムネルゴプロム(atomenergoprom)は、ロスアトムが100%の株を保有する株式会社で、ウラン採掘から電力生産まで核燃料サイクル全体を含み、経験と競争力を持った世界の最大企業の一つといえる。
<更新年月>
2009年01月   

<本文>
1.経緯
 1991年のソ連の解体後、1992年にロシア連邦に原子力省(Minatom)が成立した。2004年には組織を再編し、ロシア連邦原子力庁(Rosatom)に変わった。2007年に、ロシア原子力庁は、再度再編され国営原子力企業ロスアトム(Rosatom:Federal Agency for Atomic Energy)となった。
2.ロスアトム(Rosatom)の使命・計画とアトムネルゴプロム(atomenergoprom)
(1)ロスアトムの使命
 ロスアトムは、ロシア連邦の原子力の発展の為に設立された。使命は、原子力開発利用の管理統一、原子力産業の育成、核兵器システムの安全管理、放射性物質と放射線の管理および安全保障である。更に、原子力の平和利用、核不拡散関連の活動が含まれる。原子力の民生と軍事利用および安全保障が一体化している。図1は組織を示す。監督委員会は社長を含め、大統領に任命される。社長の下に、6人の副社長が居て20の部局を担当する。
 2009年から2015年までの長期計画が策定されており、計画は2009年1月1日からそれまでの計画を廃して実施に移された。計画遂行のため、約2兆ルーブル(780億米ドル)の資金を計画している。
(2)2009〜15計画の概要
 詳細な計画は発表されていないが、ホームページの記事や、プーチン首相の講演から次のような計画の輪郭がうかがえる。
1)民生利用、軍事利用、および安全保障の一体的運営
2)民生利用と軍事利用の調整
3)ロスアトムによる原子力関連資産の一括管理
4)原子力と放射線安全の向上、
近年は事故も減少し、安全性は日本に次いで2位、既に欧米より優れる
5)原子力関連の科学の発展と技術の向上、
高速炉技術開発の推進、国立原子力大学(仮称)の創立、原子力教育への貢献
6)原子力利用の発展
ロシアの現有商用炉は、図2に示すように、高速炉1基を含め31基となっている。今後2016年までに26基の原子力発電所の新設を予定しており、電力のうち原子力発電の割合を現在の16%から先進国並みの38%くらいまで上げる計画となっている。また、発電船、砕氷船等への原子力利用を図る。
7)核不拡散、安全と平和利用の国際協力
8)技術力の統合管理
関連会社「アトムネルゴプロム(atomenergoprom)」により、ウランの採掘、燃料製造、発電所建設、発電までの技術の統合、原子力の国際的競争力の強化
(3)アトムネルゴプロム(atomenergoprom)
 アトムネルゴプロムは2007年に創立された。ロスアトムが100%の株を保有する株式会社となっている。ウラン採掘から電力生産まで核燃料サイクル全体を含み、経験と競争力を持った世界の最大企業の一つとなり、総職員は19万3千人以上になる。
 当社は、原子力分野の核燃料会社「トベル」(TVEL)、濃縮ウラン輸出の「テクスナブエクスポルト」(TENEX)、「アトムレドメトゾロト」、「アトムエネルゴマーシ」、国立濃縮企業、研究所、原子機械工業等の民間企業の89を統合している。
 当社の資源・技術力は、ウラン貯蔵は世界2位、ウラン採掘は世界5位、濃縮ウランサービスのシェア40%、燃料生産の世界市場シェア17%、12基の原子力発電所建設、ガス遠心分離技術、機械工業技術等30以上の研究開発力と組織にある。2007年の売上高は80億ユーロ以上で、国外には、これまで、インドのクダンクラム発電所に2基の原子炉、イランのブシェール発電所に1基、ブルガリアのベレネ発電所に2基の販売実績を持つ。
<図/表>
図1 ロスアトム(Rosatom)の組織とロゴ
図2 ロスアトム(Rosatom)の現有商用炉(2008年)

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
ロシアの原子力政策 (14-06-01-01)
ロシアの原子力発電開発 (14-06-01-02)
ロシアの原子力開発体制 (14-06-01-03)
ロシアの原子力安全規制体制 (14-06-01-04)
ロシアの核燃料サイクル (14-06-01-05)
ロシアの電気事業および原子力産業 (14-06-01-06)

<参考文献>
(1)Nuclear Ru.“Government approved Rosatom activity program for 2009−2015”,http://www.nuclear.ru/eng/press/other_news/2110776/
(2)ロシア:ロシアの国営原子力企業「ロスアトム」について、http://www.minatom.ru/i/FileStorage/j2―Rosatom.pdf
(3)ロシア:原子力分野発展協議会におけるプーチン首相の開会の辞、http://www.minatom.ru/i/FileStorage/meeting−japan−putin−08.pdf
(4)ロシア:「アトムネルゴプロム」株式会社、http://www.minatom.ru/i/FileStorage/j7−atomenergoprom.pdf
(5)ロシア:ロシア原子力発電所情報、http://www.minatom.ru/i/FileStorage/j6−NPP−Information.pdf
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