<大項目> 基礎基盤研究および先端的研究
<中項目> 核融合研究開発
<小項目> 原理と研究装置
<タイトル>
核融合反応装置の形式と作動原理 (07-05-01-05)

<概要>
 核融合炉の炉心プラズマを作る方式は、大別して磁気閉じ込め方式と慣性閉じ込め方式がある。磁気閉じ込め方式には、プラズマ中で磁力線が閉じる系と閉じない系(解放端系)に分類される。閉じた系では、プラズマ中を流れる電流のつくる磁場を利用する場合と外部コイルのみで閉じ込め磁場を作る構成がある。前者の代表例はトカマク型であり、後者はヘリカル型、あるいはステラレーター型である。解放端系にミラー型がある。慣性閉じ込め方式は、球形の燃料ペレットにレーザービームや粒子ビームで高エネルギーを瞬間的に入射し、表面が加熱蒸発する反発力(慣性力)を用いて中心部でプラズマを閉じ込める。ビームエネルギーを直接入射する場合と、X線にエネルギーを変換する間接入射とがある。
<更新年月>
2005年04月   

<本文>
 核融合炉では炉心となるプラズマを、高温高密度で所定の時間にわたり、真空容器内に浮かぶ状態で閉じ込めなければならない。高温プラズマが真空容器の内壁に接触すると、内壁は熱的な損傷を受け、内壁表面から不純物がプラズマに逆流して混入する。プラズマを容器内壁から浮かして閉じ込める方法は大別して磁気閉じ込め方式と慣性閉じ込め方式である。
1.磁気閉じ込め方式の原理
 プラズマを構成する粒子、即ち電子とイオンは磁力線に巻き付き、磁力線の方向に自由に動く性質がある。またプラズマはより弱い磁場(極小磁場)の領域にたまり込む性質を持っている。このようなプラズマの磁場中の性質を利用した閉じ込め方式には磁力線の閉じた系と解放端系に分類される。
 閉じた系では
 (a)プラズマ電流系:トカマク、コンパクトトーラス、スフェロマク、逆転磁場配位の型 (b)無電流系(外部導体系):ステラレーター、ヘリオトロン、トルサトロン、立体磁気軸  系の型
 解放端系ではミラー型がある。
1.1 閉じた系
 磁力線の閉じた系では、トロイダル磁場とプラズマ電流の作るポロイダル磁場の合成で、一本の磁力線はら旋上の回転変換を受け、閉じた閉曲面を構成する。磁力線に巻き付いたイオンや電子は磁力線方向に自由に動き衝突ではじき飛ばされるまでは閉じた閉曲面内に滞在する。磁力線をら旋状(回転変換という)にするためにプラズマ内部を流れる電流を用いるのが(a)では共通している。この方式はコイル系の配置が中心軸に対称であることから[軸対称系]と総称される。(b)の方式は外部のコイルをら旋状にして磁力線に回転変換をえている。この方式ではヘリカル軸にたいしてコイル配置は対称であり[ヘリカル対称系]と総称される。この方式は磁気面に原理的に厚みができるが、定常閉じ込め磁場の形成の点でプラズマ電流系より優位である。
1.2 解放端系
 解放端系ではプラズマはより弱い磁場領域にたまり込む性質を利用している。ミラー方式では両端のコイル近傍では磁場は強くなる。無限大の磁場がコイル直下にできれば磁場は完全にプラズマを追い返し、中心領域にプラズマを閉じ込めることができるが、現実の有限の強さの磁場では端部から粒子が漏れでる。そこで図1に示すように、端部に工夫を加えた方式をタンデムミラーと呼ぶ。
2.慣性閉じ込め方式の原理
 慣性閉じ込めでは、通常数mm程度の直径のD−Tの固体に短いパルスエネルギーを注入する。その時標的ペレットの表面は瞬間的に高温となり溶発し、その反発力(慣性力)でペレットの中心部の粒子は圧縮される。断熱圧縮で温度は上昇し自己点火燃焼が発生する。自己点火した中心部は外へ燃え広がり、ペレットが膨張して冷える前に核融合出力を取り出すことができる。慣性閉じ込め方式では自己点火燃焼は間欠的であり、自己点火した後、一つのペレットでのエネルギー利得が十分高ければ(100倍程度)、エネルギー増幅器として動作し、システムのエネルギー利得はエネルギードライバーの動作条件等のシステムパラメーターに依存する。
<図/表>
図1 各種核融合炉方式の種類

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<関連タイトル>
核融合反応と熱エネルギー (07-05-01-01)
トカマク型核融合装置の研究開発 (07-05-01-06)
三大トカマク装置の特徴と研究成果 (07-05-01-07)
ヘリカル型核融合装置の研究開発 (07-05-01-08)
ミラー型核融合装置の研究開発 (07-05-01-09)
慣性核融合装置の研究開発 (07-05-01-10)

<参考文献>
(1)F.F.Chen、内田岱二郎(訳):[プラズマ物理入門]、丸善(1997)
(2)田中裕二:原子力の基礎講座−8「核融合」、日本原子力文化振興財団(1996年)
(3)狐崎 晶雄・吉川 庄一:「新・核融合への挑戦」講談社ブルーバックス(2003)
(4)ジョセフ・ヴァイス 本多 力(訳):「核融合エネルギー入門」文庫クセジュ(2004)
(5)関 晶弘(編):「核融合炉工学概論−未来エネルギーへの挑戦」日刊工業新聞社(2002)
(6)近藤 育朗、栗原 研一、宮 健三:「核融合エネルギーのはなし」日刊工業新聞社(1996)
(7)核融合フォーラムHP(http://www.naka.jaeri.go.jp/forum/)
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