<大項目> 核燃料リサイクル施設
<中項目> 再処理
<小項目> 再処理の工程
<タイトル>
転換工程 (04-07-02-04)

<概要>
 ウランおよびプルトニウムの硝酸水溶液をそれぞれ酸化物に転換する際に、ウランは加熱脱硝法またはアルカリ沈澱法が採用されている。一方プルトニウムは加熱脱硝法(マイクロ波加熱脱硝法を含む)、過酸化水素水またはシュウ酸塩溶液を用いた沈澱法がある。沈澱法は加熱脱硝法と比較して濾過および廃液処理など操作が加わるが、不純物の精製効果のあることが利点である。
<更新年月>
1998年05月   (本データは原則として更新対象外とします。)

<本文>
  前段の再処理抽出精製工程から硝酸ウラニル溶液及び硝酸プルトニウム溶液が送られてくる。硝酸ウラニル溶液を固体の三酸化ウラン(または気体状六フッ化ウラン)に、硝酸プルトニウム溶液を固体の二酸化プルトニウムに変えることを、それぞれウラン転換およびプルトニウム転換という。
(1) ウランの転換
  硝酸ウラニル溶液(UNH) から三酸化ウランへの転換は、(a) 蒸発濃縮し、次いで加熱脱硝する方法および (b) UNHをアンモニアガスで中和し、ウランを重ウラン酸アンモンとして沈澱させ、これを濾過、乾燥、仮焼して三酸化ウランとする方法がある。
  六フッ化ウランとする場合は、この三酸化ウランを分解アンモニアガスで還元し、二酸化ウランとする。次いで二酸化ウランにフッ化水素を反応させ四フッ化ウランとし、さらに、これにフッ素ガスを反応させ、六フッ化ウランとする。

(2) プルトニウムの転換
  プルトニウムを燃料として用いるためには、硝酸プルトニウム溶液を二酸化プルトニウムに転換しなければならない。
  転換方法としては、硝酸プルトニウム溶液を直接加熱、脱硝して酸化物(二酸化プルトニウム)とする方法、過酸化水素による沈澱法及びシュウ酸による沈澱法がある。
(a) 加熱脱硝法:
 硝酸プルトニウム溶液を直接加熱脱硝する方法は他の沈澱法のように沈澱生成および濾過操作を必要とせず、また廃液処理の必要もない。この方法で反応性の高い二酸化プルトニウムを得るには、仮焼時間と温度を調整し、生成する二酸化プルトニウムの焼結を最小限度におさえなければならない。動燃事業団(現日本原子力研究開発機構)ではウラン、プルトニウムの硝酸混合液をマイクロ波により直接加熱脱硝し、反応性の高い酸化ウランと酸化プルトニウム混合酸化物を得ている。この混合酸化物は新型転換炉“ふげん”の燃料製造用原料に用いられている(図1参照) 。
(b) 過酸化プルトニウム沈澱法:
 硝酸プルトニウム溶液に5〜30%過酸化水素溶液を加えると濾過容易な結晶性の過酸化プルトニウムの沈澱が得られる。プルトニウムの沈澱生成にあたっては陽イオン不純物の大部分は沈澱しないので、すぐれた精製効果がある。過酸化プルトニウムの沈澱物を150℃で加熱分解して、酸化プルトニウムを得ることができる。
(c) シュウ酸プルトニウム沈澱:
 プルトニウム精製工程から得られるブルトニウム溶液は通常安定剤(ヒドラジン)を含んだ原子価が3価のプルトニウムの硝酸溶液である。これに固体状または溶液状のシュウ酸を加えると濾過性の良いシュウ酸プルトニウムの沈澱が生成する。
  硝酸プルトニウム(4価)の溶液にシュウ酸を加えてもシュウ酸プルトニウムの沈澱を得ることができるが、沈澱生成条件(反応温度50〜60℃、硝酸濃度 1.5〜4.5M、緩やかなシュウ酸添加速度)から僅かでもずれると微細なゴム状沈澱物が生成する。
シュウ酸塩スラリーは濾過・洗浄後300 ℃で加熱し、酸化プルトニウムを得ることができる。

(3) 加熱脱硝法と化学沈澱法の比較
  加熱脱硝法はウランおよびプルトニウムいずれの場合も工程は簡単であるが、製品の酸化物は一般に反応性に乏しい緻密粒子になる。化学沈澱法は沈澱生成、濾過(固・液分離)、沈澱物の乾燥・脱水操作及び濾過廃液の処理など工程は複雑になるが、製品(酸化物)の物性を容易にコントロールすることができる。また不純物の除去効果を期待することができる。
<図/表>
図1 動燃混合酸化物転換工程フローシート

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<関連タイトル>
溶媒抽出工程 (04-07-02-03)

<参考文献>
(1)清瀬量平: 原子力化学工学(第3分冊)使用済燃料とプルトニウムの化学工学(1984)
(2)動燃技報 No.59「1.混合転換技術開発」p.41 (1986)
(3)火力原子力発電技術協会(編):やさしい原子力発電、火力原子力発電技術協会(平成2年6月)
(4)火力原子力発電技術協会(編):原子燃料サイクルと廃棄物処理、火力原子力発電技術協会(昭和61年)
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