<本文>
光化学的分離法によるウラン濃縮は長い間実用化されなかった。光化学的同位体分離法で唯一実用化されたのは、水銀同位体による水銀電極間の火花からの光(188〜547ナノメートル)を用いて、水銀蒸気中の同じ同位体を
励起して同時に反応させて酸化水銀を生成させる方法であった。しかし、ウラン濃縮に用いることの出来る光、即ちウラン同位体を光化学的に励起させる光が見出せなかった。よってレーザーを用いての分離が色々と研究され、ウラン濃縮に適したレーザー(二酸化炭素レーザー光線( 9300〜10800ナノメートル))が見出されるに及んで、現在のレーザー法によるウラン濃縮へ発展した。
<参考文献>
(1)M.Benedictほか(清瀬量平訳):ウラン濃縮の化学工学、日刊工業新聞(1985)
(2)火力原子力発電技術協会(編):原子燃料サイクルと廃棄物処理、火力原子力発電技術協会(昭和61年)