<大項目> 核燃料リサイクル施設
<中項目> 探鉱
<小項目> ウラン等の資源
<タイトル>
ウラン生産国と資源状況 (04-02-01-06)

<概要>
 世界原子力協会(WNA)によると、2012年のウラン生産量は18ヶ国、約58,394tUである。そのうち1,000tU以上を生産した国は、カザフスタン、カナダ、オーストラリア、ニジェール、ナミビア、ロシア、ウズベキスタン、米国、中国及びマラウイの10ヶ国であった。これら10ヶ国で、世界のウラン生産量の95.8%を占める。なお、カザフスタンのウラン生産量は世界の36.5%を占め、カナダとオーストラリアを加えると、生産量は約64%となる。2006年以降、ウラン生産量は毎年数%上昇する傾向にあり、2012年の生産量58,394tUは2011年と比較して7%増加した。
 一方、OECD/NEA・IAEAのレッドブック2011によれば、2011年1月1日現在の世界のウラン資源量は、$130/kgU未満のコストで回収可能な資源量(発見資源量)は532.7万tU、そのうち回収コストが$80/kgU未満の資源量は307.9万tUである。主要資源国は、オーストラリア、カザフスタン、ロシア、カナダ、ニジェール、南アフリカ、ブラジル、ナミビア、米国、中国で、これらの国々の$130/kgU未満の資源量は世界の約91%を占める。
<更新年月>
2013年12月   

<本文>
1.世界のウラン生産状況
 世界原子力協会(WNA:World Nuclear Association)によると、2012年に計18ヶ国で約58,394tUのウランが生産された。そのうち1,000tU以上を生産した国は、カザフスタン(21,317tU)、カナダ(8,999tU)、オーストラリア(6,991tU)、ニジェール(4,667tU、推定)、ナミビア(4,495tU)、ロシア(2,872tU)、ウズベキスタン(2,400tU)、米国(1,596tU)、中国(1,500tU、推定)、マラウイ(1,101tU)の10ヶ国であった。これら10ヶ国で、世界ウラン生産量の95.8%を占める。なお、カザフスタンのウラン生産量は世界の36.5%を占め、カナダとオーストラリアを加えると、約64%となる。2006年以降、ウラン生産量は毎年数%上昇する傾向にあり、2012年のウラン生産量58,394tUは2011年と比較して7%増加した(図1参照)。
 また、ウラン生産量58,394tUの82%を8社の企業が一次供給源としてウランを生産している。生産量が10%を超える上位4社の生産比率は、カザフスタンのKazAtomProm社が15%、フランスAREVA社が15%、カナダCameco社が14%、ロシアのARMZ-Uranium One社が13%である。ただし、生産量第2位のフランスAREVA社は、国内開発は行っておらず、カナダ、カザフスタン、ナミビア、ニジェール、南アフリカ等の他国で生産を進めている。
 なお、ウラン生産量は1990年より需要量を下回り、2012年の場合、原子炉必要量の86%を充当したに過ぎない。不足分は民間在庫の取り崩し、高濃縮ウランの民生転用、減損ウラン再濃縮及び回収ウラン・MOXの利用により賄われた(図2参照)。
2.世界のウラン資源状況
 OECD/NEA・IAEAの共同報告「URANIUM-RESOURCES, PRODUCTION AND DEMAND-2011,(2012)」(以下、「レッドブック(2011年)」)によれば、2011年1月1日現在、$130/kgU未満の回収可能な資源量(発見資源量)は532.7万tU、そのうち$80/kgU未満の回収可能な資源量は307.9万tUである(図3)。発見資源量(Identified resources)は発見済みの資源量で、鉱床の規模・品位・形状が明らかな「確認資源」(Reasonably assured resources)と、鉱床の規模・特性に関するデータが不十分な「推定資源」(Inferred resources)に分類される。主要資源国はオーストラリア、カザフスタン、ロシア、カナダ、ニジェール、南アフリカ、ブラジル、ナミビア、米国、中国の10ヶ国、$130/kgU未満の発見資源量は約485.8万tUであり、世界の約91.2%を占める。そのうち$80/kgU未満の資源量は約290.9万tUで、世界の約94.5%を占める。
 また、ウラン資源の存在が既存鉱床の地質的延長上に、間接的事実をもとに推定される予測資源(Prognosticared resources)と、特定の地質鉱床地帯の中に期待される期待資源(Speculated resources)に分類される世界の未発見資源(Undiscovered resources)は、それぞれ284.1万tUと、759.5万tUである。主な予測資源国は米国(127.3万tU)、カザフスタン(50万tU)、ブラジル(30万tU)で世界の約73%を占め、また、主な期待資源国はモンゴル(139万tU)、米国(134万tU)、南アフリカ(111.3万tU)、ロシア(77.2万tU)、カナダ(70万tU)、ブラジル(50万tU)で、世界の約76.6%を占める。
 表1に、回収コスト区分別発見資源量と未発見資源量の2009年との比較を示す。2011年は$260/kgU未満の発見資源量が2009年より79.03万tU(12.5%)増加し、$130/kgU未満及び$80/kgU未満の可採資資源量は7.68万tU(1.4%)及び66.34万tU(17.7%)減少した。これは採掘コストの上昇を反映したもので、$80/kgU未満の低コスト資源量が大きく減少し、代わりに高コスト資源量が増加したことを示している。高コスト発見資源量の増加は、資源量の再評価及びアフリカの探鉱活動報告を加味した為である。なお、未発見資源量に関しては、主要ウラン資源国であるオーストラリアやナミビア、ウランポテンシャルの高い国々が資源量を報告していないことから、極めて不確かである。
 探鉱・開発は、2003年以降のウラン価格の上昇により、過去に探鉱対象とされた地域や、それ以外の様々な鉱床タイプと地域で活発化している。特に、アフリカを中心にウラン探鉱・鉱山開発が進められている。2010年の国内探鉱・開発費は2008年より22%増加し、その84%はカナダ、ニジェール、ロシア、オーストラリア、米国の5ヶ国による。また、中国、フランス、日本及びロシアでは、国外探鉱・開発も活発である。
(1)生産方法によるウラン資源量の分類
 ウランの生産方法には露天採掘、坑内採掘、インシチュリーチング(ISL:鉱床中に酸性溶液を注入し、ウランを浸出させて生産する方法)、ヒープリーチング(採石した鉱石に酸性溶液を散布し、ウランを浸出させて生産する方法)、共産物/副産物、不特定がある。2010年の生産方法別生産量の割合は、ISL39%、坑内採掘32%、露天採掘23%、銅や金の共産物・副産物が6%で、ISLの割合は徐々に増加している。2007年には露天採掘を、2009年には坑内採掘をしのぎ、現在では最も多くのウランを生産する方法になっている。
 また、生産方法をコスト区分別にみると(表2参照)、$40/kgU未満の低コスト確認資源では、坑内採掘による回収が最も多く(主にカナダ)、それに続くのがISL(主にブラジル)と共産物/副産物(主に中国とカザフスタン)としての生産である。$80/kgU未満では共産物/副産物による寄与分が重要であるが、ウラン生産に起因する採掘費用を算定するのが難しく、過小評価されるケースがある(例、オーストラリアのOlympic Dam鉱山)。
(2)鉱床タイプよるウラン資源量の分類
 産出されるウランは、地域によって地質学的鉱床のタイプが異なる。IAEAはウラン鉱床を、不整合関連型、砂岩型、赤鉄鉱質角礫複合型、石英中礫礫岩型、鉱脈型、貫入岩型、火山岩・カルデラ関連型、交代岩型など13種類に分類している(各鉱床タイプの詳細はATOMICAタイトル <04-02-01-02> ウラン鉱床の分布および主要生産国と生産量(レッドブック2007)、参照)。
 2011年時点の$130/kgU未満の確認資源量は345.6万tUで、そのうち最も割合が大きい鉱床タイプは、米国、カザフスタン、ニジェール等に分布する砂岩型(28.5%)である。オーストラリアに賦存する赤鉄鉱質角礫複合岩型(26.6%)や、カナダやオーストラリアの不整合関連型(12.9%)がこれに続くが、3鉱床タイプの確認資源量は、世界全体の68%を占める(表3参照)。$40/kgU未満の低コスト確認資源では、カナダの不整合関連型鉱床の割合が大きく、交代岩型と砂岩型がそれに続く。推定資源についても、同様の傾向が見られる。
3.主要生産国のウラン資源状況
 つぎに、2011年1月1日現在の主要生産国のウラン資源状況を述べる。
(1)オーストラリア
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は166.1万tUで、うち134.9万tUが$80/kgU未満である。資源の大半は北部準州と南オーストラリア州の不整合関連型、角礫岩複合型及び砂岩型鉱床に賦存する。オーストラリアのウラン品位は低いが、回収可能な資源量は世界の約31.2%を占める世界最大のウラン資源国である。
(2)カザフスタン
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は62.9万tUで、うち48.6万tUが$80/kgU未満、4.74万tUが$40/kgU未満である。$80/kgU未満の資源の多くは、ISLが適用可能な砂岩型鉱床に賦存する。
(3)カナダ
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は46.9万tUで、うち41.7万tUが$80/kgU未満、35.1万tUが$40/kgU未満である。競争力ある$40/kgU未満の資源量は世界の約51%、現在の生産規模で30年程度の生産が見込まれる。資源の大半はAthabasca堆積盆地(サスカチワン州)とThelon堆積盆地(北西準州)の不整合関連型鉱床に賦存している。鉱床の平均品位は2〜5%Uと高く、McArthur River鉱山のように一部の鉱床では部分的に15%Uを超える高品位鉱床である。
(4)ロシア
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は48.7万tUで、うち5.5万tUが$80/kgU未満である。資源の大部分は、Streltsovskoe鉱床、Antei鉱床、Oktyabrskoe鉱床等の火山岩・カルデラ関連型鉱床で、そのほかに砂岩基底チャンネル型鉱床であるalmatovskoe鉱床、及びKhokhlovskoe鉱床に賦存している。
(5)ニジェール
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は42.1万tUで、うち5500tUが$40/kgU未満である。ウラン資源は中北部のアガデス堆積盆地に分布する砂岩型鉱床に賦存し、$80/kgU未満のウラン資源は全て現在操業中のArlit鉱山及びAkouta鉱山に属している。
(6)ナミビア
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は26.1万tUで、うち6600tUが$80/kgU未満である。ウラン資源は花崗岩中に産する貫入火成岩型のRossing鉱床に賦存している。低品位であるが、大鉱床であり、大規模採掘により低コストで生産を行っている。
(7)米国
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は20.7万tUで、うち3.9万tUが$80/kgU未満である。資源の多くは、ISLが適用可能な砂岩型鉱床に賦存する。
(8)南アフリカ
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は27.9万tUで、うち18.6万tUが$80/kgU未満である。資源の大部分は、Witwatersrand地域の石英中礫礫岩型金・ウラン鉱床に賦存し、火成岩型鉱床や砂岩型鉱床が一部寄与している。生産活動中の鉱山は3ヶ所で、Witwatersrand地域の2施設が金の副産物として、火成岩型鉱床のPalabora鉱山が銅の副産物としてウランを生産している。
(9)ブラジル
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は27.6万tUで、うち22.9万tUが$80/kgU未満、13.8万tUが$40/kgU未満である。交代岩型に賦存するLagoa Real鉱山で、露天採掘によりウランを回収している。変成岩型/燐灰土型鉱床に賦存するItataia鉱山は開発中である。
(10)中国
 $130/kgU未満の回収可能な資源量は16.6万tUで、うち13.5万tUが$80/kgU未満、5.8万tUが$40/kgU未満である。中国のウラン資源は120万tU〜170万tUと大きなポテンシャルが予測され、2006年以降、中国北部のMengqiguer(新疆自治区Yili盆地南端部)、Sunjialiang(Erdos盆地南部)、Nuheting(内モンゴル自治区Erlian盆地内)と中国南部のJulongan(Xiangshanウラン産地内)、Baimianshi(江西省Gannanウラン産地内)、Shazijiangt(江西省Ziyuanウラン産地内)でのウラン探査・探鉱活動が活発化している。2011年時点のウラン生産活動は、中国南東部の火山岩・カルデラ関連型鉱床である撫州(Fuzhou)、青龍(Qinglong)と、花崗岩型鉱床である崇義(Chongyi)、藍田(Lantian)、本渓(Benxi)、韶関(Shaoguan)、及び中国北西部の砂岩型鉱床である伊寧(Yining)で行っている。
(前回更新:2005年1月)
<図/表>
表1 回収コスト区分を考慮した在来型ウラン資源量の状況
表2 生産方法によるウラン資源量の分類
表3 鉱床タイプよるウラン資源量の分類
図1 主要ウラン生産国の生産量
図2 世界のウラン生産量とウラン需要量の推移
図3 世界のウラン資源量の分布

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<関連タイトル>
ウランの地殻中での挙動とその分布 (04-02-01-01)
ウラン鉱床の分布および主要生産国と生産量(レッドブック2007) (04-02-01-02)
ウラン採鉱法とその特色 (04-03-01-01)
ヒープリーチング法 (04-03-01-04)
カナダのウラン鉱山 (04-03-01-05)
米国のウラン鉱山 (04-03-01-06)
オーストラリアのウラン鉱山 (04-03-01-07)

<参考文献>
(1)OECD/NEA,IAEA:URANIUM-RESOURCES,PRODUCTION AND DEMAND-2011,レッドブック(2011年),OECD(2012年7月)
(2)OECD/NEA,IAEA:URANIUM-RESOURCES,PRODUCTION AND DEMAND-2009,レッドブック(2009年),OECD(2009年7月)
(3)世界原子力協会(WNA):World Uranium Mining Production、
http://www.world-nuclear.org/info/Nuclear-Fuel-Cycle/Mining-of-Uranium/World-Uranium-Mining-Production/
(4)日本原子力学会 再処理・リサイクル部会・日本原子力研究開発機構 天本 一平著:2-1 世界のウラン資源とわが国のウラン調達、
http://www.aesj.or.jp/~recycle/nfctxt/nfctxt_2-1.pdf
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