<大項目> 原子力発電
<中項目> 原子力発電所の立地・建設・運転・保守
<小項目> 運転管理体制と教育・訓練
<タイトル>
BWR運転訓練センター (02-02-04-02)

<概要>
わが国においては、運転員の能力の維持向上のための教育・訓練は各電気事業者が訓練施設への派遣、自社内訓練により行っている。BWR運転訓練センターは、沸騰水型(BWR)原子力発電所の運転員の養成および訓練機関であり、原子力発電所運転責任者認定制度に基づく運転実技試験を委託された第三者的機関でもある。センターでは、原子力発電所の中央制御室を模擬した訓練用フルスコープシミュレータを用いてさまざまな運転状態における運転操作を修得でき、また、訓練生のレベルに応じた訓練を行う訓練コースが設けられている。
<更新年月>
2008年12月   

<本文>
 BWR運転訓練センター(BTC,Boiling water reactor operator Training Center)は、沸騰水型(BWR)原子力発電所の運転員の能力維持・向上を目的として設立された機関で、原子力発電所運転責任者認定制度に基づく運転実技試験を委託された第三者的な運転員の養成機関として位置付けれられる。なお、加圧水型(PWR)の運転員の養成機関としては、原子力発電訓練センター(NTC)がある。
1.訓練センターの沿革
 沸騰水型(BWR)原子力発電所の運転員の訓練は、1967年から1973年までは米国メーカーの訓練施設に運転員を派遣し必要な訓練をしてきた。1971年4月に(株)東芝と(株)日立製作所の合弁会社としてBWR運転訓練センターが設立され、1974年4月から国内においてより幅の広い教育・訓練が可能となった。当初、BWR運転訓練センターは福島センターのみであったが、1993年6月に新潟センターが開設し、2007年度末までに延べ17,264人、7,363チームの訓練を行っている(図1)。原子力発電所が安全で安定したプラント運転が維持できるように各電力会社の要請を受けて運転員の養成・訓練の一翼を担っている。現在、株主として上述の2社に加えて9電力会社および日本原子力発電(株)が参加している。
2.訓練センターの要員および設備
 訓練のためのインストラクタが約40名所属しており、プラントタイプに応じた5基のシミュレータが設置されている。表1にBWR運転訓練センターの概要(BTC)を示す。
3.訓練センターの特徴
 原子力発電所の中央制御室を模擬した訓練用フルスコープシミュレータで訓練を行うことができる。フルスコープシミュレータは、発電所実機の模擬中央制御盤と大型計算機およびインストラクションコンソールから構成され、原子力プラントにおける起動、停止といった通常の運転状態から異常状態までの事象を、インストラクションコンソールからの指令により忠実に模擬することができる。これにより訓練者は、実機の運転とまったく同じ感覚で訓練を受けることが可能である。
4.訓練コースと対象者
 原子力発電所の運転は、運転直と呼ばれる数人の運転員のチームで行われる。一般的な運転直は、指揮者(当直長/当直副長)、当直主任、主機操作員、補機操作員から構成され、シミュレータ訓練もこれに沿って行われる(図2)。
 訓練センターでは、運転員の運転経験、能力段階に応じた訓練コースが設けられている。訓練コースは、表2に示すように初級訓練コース、中級訓練コース、上級訓練コース、継続訓練コースおよびチーム訓練コースの5つの訓練コースがある。継続訓練コースは、中級・上級コースを補完するために定期的にシミュレータによる技術の維持と向上を図るコースである。また、チーム訓練コースは運転当直チームを対象とし、チームワークの強化を目的としたものである。図3に1988年度〜2007年度までのBWR運転訓練センターの訓練実績を示す。
5.現場経験と訓練センターでの訓練
 運転員は、電気事業者の社内研修で原子力に関する導入教育、現場研修を受けた後、現場に配属され、電気、タービンおよび原子炉施設の基礎知識・技術を修得する。この段階で運転訓練センターの初期訓練コース等に派遣され、原子炉運転に必要な原子炉基礎理論、技術に関する講義とシミュレータによる訓練を受ける。その後、補機操作員として現場経験を5〜6年積んだ後、電気、タービン及び原子炉の主機操作員となり、再び運転訓練センターのシミュレータを主体とした継続訓練コースに派遣される。さらに職務経験を積み、能力、資質等が認められると当直副長、当直長となる。この段階で運転訓練センターの上級者訓練コースに派遣され、監督者あるいは、それに準じた職務の理論知識、運転知識の講義とシミュレータによる訓練が行われる。
(前回更新:2004年12月)
<図/表>
表1 BWR運転訓練センターの概要(BTC)
表2 各訓練コースの概要
図1 BWR運転訓練センター(BTC)
図2 シミュレータ訓練
図3 BWR運転訓練センターの訓練実績

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<関連タイトル>
PWR運転訓練センター (02-02-04-03)

<参考文献>
(1)(株)BWR運転訓練センターホームページ、http://www.btc.co.jp
(2)Boiling Water Reactor Operator Training Centerパンフレット(2004.6)
(3)原子力安全基盤機構、原子力施設運転管理年報 平成20年版(平成19年度実績)、p262−278,http://www.jnes.go.jp/database/index.html
(4)松本純一:ABWR型中央制御盤およびシミュレータの開発、火力原子力発電、454(45)、53?60(1994)
(5)鈴木弘一、水野紀至:BWRシミュレータ訓練性能の向上と訓練経験、火力原子力発電、464(46)、12?19(1995)
(6)野地邦男:BWR運転訓練コース体系の改定と訓練実績、火力原子力発電、490(48)、27?31(1997)
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